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特別コラム 第1回「SDGsに求められること」

コラム

2020年4月30日

特別コラム 第1回「SDGsに求められること」

こんにちは。おおさかATCグリーンエコプラザ環境アドバイザーの立山裕二です。
これまでエコプラザカレッジで環境経営やSDGsなどについてセミナー講師を務めさせていただいておりました。

しかしご承知のように、新型コロナウィルス感染症防止の観点からエコプラザは臨時休館になっており、セミナーも休止しております。
このままでは、エコプラザが目指している「多くの方々とのつながりの構築」が実現できなくなってしまいかねません。

そこでしばらくの間、まず環境アドバイザーの私が原則として1ヶ月に2回、環境経営やSDGsなどのミニ講座やエッセイを綴っていくことになりました。

もちろん、つながりは双方向です。私の記事へのご意見・ご感想だけでなく、皆様の現状やアイデアを発信していただき、つながりを深めることができたら幸いです。

今回は、世界中で猛威を振るっている新型コロナウィルス感染症とSDGsの役割について考えてみたいと思います。

新型コロナウィルス感染症を撲滅してSDGsの価値を大いに高める

まずSDGsの概略に触れておきます。

SDGsは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)のことです。
2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に盛り込まれた17の目標です。2016年1月1日に発効し、すべての国々に普遍的に適用されます。

具体的な内容については次回以降でご紹介しますが、17の目標の中に、「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」というのがあります。

新型コロナウィルス対策で求められているのは「グローバル・パートナーシップで世界中の英知を結集して、解決に向かう方策を立てて実行する」ということです。
私たちは未来に向かって数多くの問題を解決していかなければなりませんが、まず新型コロナウィルス感染症という吃緊の大問題を解決することが大切です。
この大問題を早期に解決することでSDGsの実現はもとよりSDGsの価値を高め、さらにその先の例えば「みんなが幸せを実感する社会」の構築への大きな自信に繋がると思います。

今求められる「私たちの行動」

今日本では「外出を8割減らそう」と呼びかけられていますが、なかなか実現が難しいようです。そこで「何も手を打たなければ42万人が死亡する」という北海道大学教授のショッキングな警告で私たちの目を覚まそうとしています。

その警告と共に「人と人との接触を8割減らすことの重要性」を改めて訴えています。
ここでは「2メートル以内の距離で30分以上会話をしたとき」に”接触”と定義しています。
確かにこれで「医療崩壊」や「感染者そのものの増大」は防げるでしょう。

ただ確率論的には正しいのかもしれませんが、「いま目の前にいる人」はどうなのでしょうか。私の個人的見解ですが、「数分以内でも、いや数秒でも感染する人は感染する」と思います。「今までしていた会話は30分以内だから大丈夫」と思う人が出てくることが心配です。
もはやそんな人はいないと信じたいのですが、やはり「人との接触は感染拡大が収束するまで控える」「会話は挨拶程度しかしない」をすべての人が実践することが大切ではないでしょうか。「人と接しない」「会話をしない」ということも”今は”立派な行動です。

私たちに求められる行動は、「考動」そして「幸動」

私たちは「人に言われて行動する」ことが多いのかもしれません。
でもこれからは「自分で考えて行動する(考動)」ことも大切です。そしてSDGsを実現するには「みんなが幸せになることを確信して行動する(幸動)」ことが重要になるでしょう。

ともすれば私たちは社会問題を解決しようとするとき、「解決しなければこんな良くないことが起こる」といったネガティブなビジョンを描きがちですが、「この問題を解決することで、こんな素晴らしい社会が実現する」というポジティブビジョンを描き実践することが大切だと思います。
世の中には「できない理由を見つける”天才”」が少なからずおられます。
ただはっきりしていることは「できない理由」は無限にあって全部見つけるのは大変ですが「できる理由」はひとつでいいということです。

そのひとつを一人ひとりが見つけ、みんなが公表し合えば大きなエネルギーが生みだされるでしょう。企業としても自社だけに留めておくのでなく全国に、いや全世界に広げることが大きな社会貢献になるのではないでしょうか。

いまこそ社内で、学校で、組合で、町内で、いやあらゆる組織でみんなでポジティブビジョンを描き実践しましょう。これこそが私たちがすべき素晴らしい未来を築く行動ではないでしょうか。

ご注意:
この原稿作成後に、厚生労働省が接触の定義を「距離1メートル、マスクなしで15分以上」に変更しています。しかし、これとて大きなリスクがあるので私の言いたいことは、変わりません。
世の中には、既存の感染症の専門家はおられますが、新型コロナウィルス感染症の専門家はいません。いつ定義が変わるか分かりません。やはり「人と接しない」「会話をしない」を徹底することではないでしょうか。
また、テレビを見ていたら「ゼロリスクはあり得ない」と専門家がコメントしていました。 そんなことは当たり前です。 しかし「だから仕方がない」ではなく「限りなくゼロに近づける」努力を続けていたただきたいものですね。

次回は、SDGsについて改めて考えてみたいと思います。

コラム著者

サステナ・ハース代表、おおさかATCグリーンエコプラザ環境アドバイザー

立山 裕二